この記事では、住宅金融支援機構が毎月中旬に公表する「住宅金融支援機構債券(機構MBS)」の利回りや、フラット35の金利の目安となる長期金利(新発10年国債利回り)の動きから、翌月のフラット35の金利動向を占っています。フラット35は、国土交通省が所管する独立行政法人・住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンです。
2026年8月のフラット35(買取型・借入期間21〜35年・融資率9割以下・新機構団信付き)の最頻金利は、年3.290%に確定しました。前月7月の年3.140%から0.150%上昇し、2カ月ぶりの引き上げとなりました。2017年10月に始まった現行制度では最も高い水準で、3%台は6月から3カ月連続です。日本銀行が2026年6月16日の金融政策決定会合で政策金利を年1.0%程度へ引き上げ、固定金利の原資となる長期金利が高止まりしていることが背景にあります。
2026年8月のフラット35の金利(確定・今月のまとめ)
2026年8月3日に住宅金融支援機構が公表した確定金利は次のとおりです。前月(7月)と比べて、フラット35(21〜35年)・フラット20(20年以下)ともに0.150%上昇しました。| 返済期間 | 2026年7月(前月) | 2026年8月(今月・確定) |
|---|---|---|
| フラット20(20年以下) | 年2.820% | 年2.970% |
| フラット35(21〜35年) | 年3.140% | 年3.290% |

融資率・返済期間・団信で適用金利は変わる
同じ「2026年8月のフラット35」でも、頭金の割合(融資率)・返済期間・加入する団信の種類によって適用される金利は変わります。ニュースなどで見かける「年3.29%」は、そのうち融資率9割以下・新機構団信付き・返済期間21〜35年の最頻金利です。自分が当てはまる区分を必ず確認しましょう。| 商品・返済期間 | 融資率9割以下 | 融資率9割超 |
|---|---|---|
| フラット20(20年以下) | 年2.970% | 年3.080% |
| フラット35(21〜35年) | 年3.290% | 年3.400% |
| フラット50(36〜50年) | 年3.500% | 年3.610% |
2026年9月のフラット35の金利はどうなる?(予想)
続いて、来月(2026年9月)のフラット35の金利を予想していきましょう。フラット35の金利は、住宅金融支援機構が毎月中旬に公表する機構債券の利回りや、その原資となる長期金利(新発10年国債利回り)の動きに連動します。翌月の金利は、当月中旬ごろの金融情勢をもとに決まる仕組みです。足元の長期金利の動き
| 返済期間 | 2026年8月(確定) | 2026年9月(予想) |
|---|---|---|
| フラット20(20年以下) | 年2.970% | 約3.0%前後(予想) |
| フラット35(21〜35年) | 年3.290% | 約3.3%前後(予想・3%台維持の見込み) |
※これはあくまで長期金利の動きをもとにした予想であり、確定金利ではありません。9月の金利のベースとなる機構債券の条件は8月中旬に公表されるため、この記事の作成時点ではまだ判明していません。株価・為替・長期金利はイベントで大きく振れており、方向を断定できる局面ではありません。2026年9月の確定金利は、9月1日(月)の正午ごろに住宅金融支援機構が公表する予定です(借入金利は毎月第1営業日の正午ごろに更新されます)。実際の金利は申込先の金融機関や加入する団信の種類によって異なります。最新の確定金利は必ずフラット35公式サイトでご確認ください。
※フラット35は、申込先の金融機関によって金利や手数料が変わります。フラット35とは
「フラット35」とは、日本の住宅金融を支援することを目的として運営されている独立行政法人・住宅金融支援機構が提供する住宅ローンです。全国300以上の金融機関が住宅金融支援機構と提携しており、さまざまな金融機関を経由して申し込むことができます。 どの金融機関から申し込んでも、住宅金融支援機構が提供するフラット35を利用することに違いはありませんが、事務手数料や金利は申し込む金融機関によって異なります。できるだけ有利な条件を提示している金融機関に申し込むことが重要です。フラット35の基本的な仕組み
- 長期固定金利 フラット35は、返済期間中の金利が固定されています。なお、固定といっても「ずっと同じ金利」という意味ではなく、子育て世帯を支援する金利引き下げ(子育てプラス等)や、地域振興・高性能住宅への支援制度があるため、「借入時に適用される金利が最初から最後まで決まっている」ということです。
- 長期返済 フラット35の「35」が示すとおり、基本的には35年を返済期間として設定します。最長50年返済(フラット50)にも対応しており、親子リレー返済を利用すれば返済期間を長期に設定することもできます。長期返済にすることで、月々の返済額を抑えることができます。
- 物件の審査は厳しめ フラット35は新築・中古いずれの住宅購入にも利用できますが、エコ性能や耐震性など「高性能な住宅」の普及を支援する目的があるため、物件の技術基準は明確に定められています。適合しない物件には利用できないため、不動産会社に事前に確認しましょう。
- 申込窓口が豊富 フラット35はさまざまな金融機関を通じて申し込めますが、実際の融資は住宅金融支援機構が担います。金融機関は申し込みの受付・審査・融資実行を担当し、金融機関により条件が異なるのは前述のとおりです。
フラット35のメリット
- 金利上昇リスクの回避 フラット35は全期間固定金利のため、借入後に金利が上がっても返済額は増えません。日銀の利上げ局面では、この安心感が改めて注目されています。
- 返済計画が立てやすい 金利が固定され返済額も確定しているため、将来の返済計画を立てやすくなります。
- 長期の安定した返済期間 最長50年の長期返済により、月々の返済額を抑えることが可能です。
- 比較的利用しやすい審査基準 フラット35には「幅広い人に安定した住宅ローンを提供する」目的があり、勤続年数や雇用形態の要件が民間ローンより柔軟な場合があります。
フラット35のデメリット
- 変動金利より金利が高い フラット35は固定金利のため、原則として変動金利タイプの住宅ローンよりも金利は高くなります。2026年8月時点では、フラット35(年3.290%)と変動金利(たとえばSBI新生銀行の変動金利〈半年型〉は年1.080%、自己資金優遇の適用で年1.060%=2026年8月1日現在)の差が2%以上開いています。
- 厳格な物件の利用基準 フラット35を利用するには物件が一定の技術基準を満たす必要があり、適合しない物件には利用できません。基準は明確なので、不動産会社に事前に確認しましょう。
- 団信・疾病保障のラインナップは限定的 フラット35は、一部の金融機関が提供する商品を除くとワイド団信を利用できないことがあります。疾病保障サービスも、取り扱う金融機関によって内容が異なります。
フラット35のおすすめ申込先は?
フラット35は全国300を超える金融機関から申し込めますが、申し込む金融機関によって金利や事務手数料が異なります。同じフラット35でも、できるだけ有利な条件で貸し出している金融機関を選ぶことが重要です。 また、フラット35の審査は住宅金融支援機構が行うため、どこで申し込んでも基準そのものは同じですが、住宅金融支援機構としっかりやり取りしてくれる実績豊富な金融機関を選ぶことで、審査がスムーズに進む可能性があります。買取型ならドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)も有力候補
フラット35(買取型)を提供
ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)は、変動金利タイプの住宅ローンの低さが目立ちますが、フラット35の申込先としても有力な候補です。同行のフラット35(買取型)は、融資事務手数料が借入金額の2.20%(税込・最低11万円)で、全疾病保障を付帯する場合は所定の金利上乗せ(+0.55%)または手数料上乗せで手厚い保障を選べます。
なお、かつて同行が独自に提供していた金利の低い「保証型」のフラット35は、現在は新規のお申し込み受付を停止しています(買取型は引き続き取り扱い中)。「保証型を今から選べる」といった古い情報には注意しましょう。最新の取り扱い状況・金利・手数料は必ず公式サイトでご確認ください。
フラット35といえばSBIアルヒ
SBIアルヒ株式会社は、フラット35業界を代表する金融機関として、実行件数シェアで長年トップを走り続けています(フラット35の実行件数は2025年度27.7%・16年連続No.1)。※2010年度-2025年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2026年3月末現在、SBIアルヒ調べ)
最新の金利・貸付条件は以下の公式サイトからご確認ください。
※各金融機関のフラット35の金利や疾病保障サービスを比較し、ご自身に合ったフラット35を選びましょう。住宅ローンは契約すると何十年も付き合っていくものです。将来後悔しないよう、”何も考えずに不動産会社や工務店から紹介された金融機関に申し込む”のは避けたいところです。