PayPay銀行の住宅ローン|デメリットとメリット、35年超の注意点

PayPay銀行は2026年10月1日、日銀の利上げを受けて住宅ローンの基準金利を引き上げました。10月に新しく借りる人の変動金利(全期間引下型)は年1.580%です。

保証料0円で手続きがネットで完結する一方、5年ルール・125%ルールがなく、35年を超える借り入れには年0.3%の上乗せがかかります。この秋の改定を踏まえ、メリットとデメリットをまとめました。

 

 

10月の変更点は基準金利の引き上げと返済中の人への影響

 

日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を年1.25%程度へ引き上げることを決めました(日本銀行「金融政策決定会合の決定内容」)。

これを受けてPayPay銀行は9月30日、住宅ローンの基準金利を10月1日から年3.530%へ引き上げると発表しました。新規・借り換えの変動金利は年1.580%となり、固定金利も10年・20年・35年がそろって小幅に上がっています。

 

金利タイプ(全期間引下型・当初期間引下型) 2026年10月の借入金利 備考
変動金利 年1.580% スマホ/ネット/でんき優遇割の適用で年1.450%
固定10年 年3.520% 新規・借り換え共通
固定20年 年4.060% 新規・借り換え共通
固定35年 年4.210% 新規・借り換え共通

 

適用されるのは、実際にお金を借りる日(融資実行日)の金利です。審査の結果や団信の種類によって上乗せが付くこともあります。金利の動きを月ごとにたどりたい人は、PayPay銀行の住宅ローン金利推移と金利動向もあわせてどうぞ。

 

すでに借りている人の返済額は12月以降に変わる

 

返済中の人の変動金利は、年2回(4月1日・10月1日)の基準日に見直されます。10月1日基準の新しい金利は、12月の約定返済日の翌日から適用されます。

同行は9月30日までに変動金利で借りた人に対し、10月以降の新しい金利による返済額を10月1日にメールで知らせるとしています。案内が届いていれば、12月以降の家計に組み込んでおくと慌てずに済みます。

 

対象 金利が動くタイミング やっておきたいこと
これから借りる人 新規向けの金利は原則として毎月見直し。適用は借入(融資実行)日の金利 実行日が月をまたぎそうなら、どちらの月の金利になるか確認する
すでに借りている人 基準日は4月1日・10月1日。反映は6月・12月の約定返済日の翌日から メールで届いた新しい返済額をもとに、繰上返済の余力も含めて資金計画を見直す

 

日銀の次回会合は10月29日・30日に予定されていますが、結果はまだ決まっていません。変動金利は政策金利、固定金利は長期金利の影響を受けるため、どちらのタイプでも金利の上昇を前提に資金計画を立てておくのが現実的です。

 

PayPay銀行の住宅ローンの主な特徴

 

PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)は、2000年に日本初のインターネット専業銀行として開業し、2021年に現在の名称へ変わりました。PayPayアプリとの連携を軸にしたネット銀行で、住宅ローンも申込から契約までオンラインで進められます。

 

借入額は最大2億円、期間は最長50年

 

借入金額は500万円以上2億円以下(10万円単位)です。金利タイプは変動金利のほか、固定金利を2年・3年・5年・10年・15年・20年・30年・35年から選べます。

2025年6月末からは借入期間が最長50年(1年以上50年以内)になりました。ただし35年を超える契約には上乗せ金利がかかり、2026年9月1日以降の借入分から年0.3%に引き上げられています。50年ローンを扱う他行との違いは50年住宅ローン4社比較で整理しています。

 

ソフトバンク利用者は金利が下がる

 

ソフトバンクのスマホ・ネット・でんきをセットで使うと「スマホ/ネット/でんき優遇割」で年0.130%、スマホだけでも年0.070%、金利が引き下げられます。10月の変動金利に当てはめると、セット利用で年1.450%です。

優遇を受けるには、本審査の承認後から契約書の作成依頼前までに回線認証を済ませる必要があります。借りた後でソフトバンクに乗り換えても適用されない点に注意が必要です。

 

ネットで手続きが完結する

 

実店舗を持たないため、申込から契約まで一連の手続きをオンラインで進めます。来店予約や窓口での待ち時間がなく、自宅や職場から都合のよい時間に手続きできます。

必要書類はスマホやパソコンで撮影して提出でき、契約書への記入や押印もありません。登記手続きに伴う司法書士との面談は別に必要です。

 

PayPay銀行の住宅ローンのメリット

 

保証料0円、一部繰上返済はネットなら無料

 

保証料はかからず、融資事務手数料が借入金額の2.20%(税込)という料金体系です。一部繰上返済はホームページから1万円以上1円単位で手数料無料、電話では5,500円(税込)。全額繰上返済は電話受付で33,000円(税込)です。

事務手数料が定率か定額かで、初期費用は数十万円単位で変わります。たとえば3,000万円を借りると、事務手数料は66万円です。比べるときは金利と事務手数料、保証料を合わせた総額で見ると判断を誤りにくくなります。

 

がん保障の団信を比較的低い上乗せで選べる

 

団信の主なプランは次のとおりです。

団信保障プラン 上乗せ金利 加入可能年齢 概要
一般団信 なし 65歳未満 死亡・所定の高度障害状態、医師の診断書等により保険会社に余命6ヶ月以内と判断された場合、住宅ローン残高が「0円」に。
がん50%保障団信 年+0.100% 51歳未満 一般団信+がん(所定の悪性新生物)と診断確定されたら住宅ローン残高が「半分」に。
がん100%保障団信 年+0.150% 51歳未満 一般団信+がん(所定の悪性新生物)と診断確定されたら住宅ローン残高が「0円」+給付特約つき。
ワイド団信 年+0.300% 65歳未満 健康上の理由で一般団信にご加入いただけない方でも加入できる可能性のある引受基準を緩和したプラン。(保障内容は一般団信と同一。)

 

がん50%保障団信は、2026年6月1日の借入分から上乗せが年0.100%になりました。「がん50%保障が無料で付く」と書かれた古い広告や記事は、いまの条件と合っていません。

がん保障付きのプランには、がん以外の病気やけがによる就業不能、自然災害による居住不能、失業への保障も組み合わされています(それぞれ所定の支払条件あり)。各プランの違いはPayPay銀行の住宅ローン団信・がん団信の解説で詳しく扱っています。

 

ペアローンで連生団信を選べる

 

ペアローンで借りる夫婦は、ペアローン連生団信を選べます。どちらかに万一のことがあった場合、2人それぞれの住宅ローン残高が0円になる団信です。同行は銀行で初めてペアローンの連生団信を扱いました(同行調べ・2024年5月31日時点)。

たとえばペア連生のがん50%保障団信なら、どちらか一方ががんと診断されると、夫婦それぞれのローン残高が半分になります。上乗せ幅はプランで異なり、連生団信を選ぶかどうかは任意です。

 

定額自動入金サービスで資金移動の手間が減る

 

返済口座はPayPay銀行の円普通預金口座です。定額自動入金サービスを使うと、他行にある自分名義の口座から毎月決まった額を手数料無料で自動入金できます。

給与を他行で受け取っている人でも、返済に必要なお金を毎月手作業で移す必要がなくなります。

 

審査の回答が早い

 

審査の目安は、事前審査が最短当日から5営業日程度、本審査が3〜10営業日程度です。申込内容や書類の提出状況によって前後します。物件の契約日程が迫っている人には使いやすい住宅ローンです。

 

PayPay銀行の住宅ローンのデメリット・注意点

 

5年ルール・125%ルールがなく、金利上昇がすぐ返済額に出る

 

PayPay銀行の住宅ローンには、返済額5年間一定ルールと返済額見直し125%ルールの取り扱いがありません(同行の商品要項に明記)。

この2つのルールは、変動金利が上がっても5年間は返済額を据え置き、見直し時も前回の1.25倍を上限にする仕組みです。急な負担増を和らげる反面、払いきれなかった利息が後ろへ繰り延べられることがあります。

ルールがないPayPay銀行では、金利が上がるたびに返済額へそのまま反映されます。10月の基準金利引き上げも、返済中の人は12月以降の返済額に反映される点に注意が必要です。

例えば、3,000万円を35年・元利均等で借り、金利が年1.580%から年2.580%へ1.0%上がったとします。毎月の返済額は約9万3,000円から約10万9,000円へ、1万5,000円ほど増える計算です(当編集部の試算・ボーナス返済なし)。変動金利で長く借りるなら、この増加に家計が耐えられるかを先に試算しておくことが欠かせません。

 

35年を超える借り入れは上乗せが年0.3%に

 

借入期間が35年を超える契約の上乗せ金利は、借入(融資実行)日を境に次のように変わりました。

 

お借入れ日 35年超の契約に適用される上乗せ金利 影響
2026年8月31日以前のお借入れ分 年0.1% すでに実行済みの契約が対象
2026年9月1日以降のお借入れ分 年0.3% これから実行する40年・50年ローンなどが対象

 

基準は借入(融資実行)日のため、8月に申し込んでいても実行が9月以降なら年0.3%です。期間を延ばして月々の返済を抑える前に、35年以内に収めた場合との総支払額の差を比べておくのが確実です。

 

個人事業主・法人経営者は専用商品で金利が高め

 

個人事業主や、自分・家族が経営する会社に勤める人は「個人事業主・法人経営者向け住宅ローン」で申し込みます。専用商品があること自体は利点ですが、通常の住宅ローンより金利は高めです。金利を最優先する自営業の人は、他行の商品とも並べて比べたほうがよいでしょう。

 

団信の選択肢は借入時の年齢で変わる

 

がん50%・がん100%保障団信は、借入時の年齢が満51歳未満の人が対象です。51歳以上で申し込むと、選べる団信は一般団信(ペアローン連生の一般団信を含む)とワイド団信に絞られます。50歳前後でがん保障を重視するなら、申込時期が団信の選択肢を左右します。

 

対面での相談はできない

 

ネット完結の裏返しで、店舗で担当者と向き合って相談することはできません。相談は電話とオンラインが中心です。収入や物件の事情が複雑で、対面で相談しながら進めたい人は、銀行代理業者の窓口(たとえばドコモSMTBネット銀行を所属銀行とするSBIマネープラザ)を使う方法もあります。

 

PayPay銀行の住宅ローンが向いている人

 

ソフトバンクのスマホ・ネット・でんきを使っている人は、優遇割で10月の変動金利が年1.450%まで下がります。審査の回答が早く、ネットで手続きを済ませたい人にも合う住宅ローンです。

51歳未満でがん保障を付けたい人にとっては、がん50%保障団信が年0.100%、がん100%保障団信が年0.150%の上乗せで選べるのも利点です。

反対に、返済額の急な変化を避けたい人や、40年・50年の長期返済を前提にしている人は慎重に比べたほうがよいでしょう。5年ルールがないことと35年超の上乗せ年0.3%を織り込み、総支払額で他行と並べると違いが見えやすくなります。

 

PayPay銀行の住宅ローンに関するよくある質問

 

Q. PayPay銀行の住宅ローンの10月の変動金利はいくらですか?

A. 2026年10月に借りる場合、変動金利(全期間引下型)は年1.580%です。ソフトバンクのスマホ・ネット・でんきのセット利用で優遇割が付くと年1.450%になります。同行は10月1日に基準金利を引き上げました。

 

Q. すでにPayPay銀行で借りています。返済額が上がるのはいつからですか?

A. 10月1日の基準日に見直された金利は、12月の約定返済日の翌日から適用されます。9月30日までに変動金利で借りた人には、新しい金利での返済額が10月1日にメールで案内されています。

 

Q. 8月に申し込んでいれば、35年超の上乗せは年0.1%のままですか?

A. いいえ。基準は申込日ではなく借入(融資実行)日です。実行が2026年9月1日以降になる場合は、年0.3%の上乗せが適用されます。

 

Q. PayPay銀行に5年ルールや125%ルールはありますか?

A. ありません。商品要項に、返済額5年間一定ルールと返済額見直し125%ルールの取り扱いがないと明記されています。金利が上がれば、その見直しのたびに毎月の返済額へ反映されます。

 

Q. 個人事業主でもPayPay銀行で住宅ローンを借りられますか?

A. はい。個人事業主・法人経営者向け住宅ローンで申し込めます。通常の商品より金利は高めに設定されているため、他行の自営業者向けの条件とも比べてから決めると安心です。

 

※本記事は2026年10月時点の情報にもとづいています。金利・キャンペーンは月ごとに動くため、最新の状況は各金融機関の発表でご確認ください。

 

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