住宅ローン金利動向と今後の見通し [2026年4月版]

はじめに

この記事ではこれまでの住宅ローンの金利動向や、2026年以降の住宅ローンの金利の今後の見通しについて解説しています。


1. 足元の金利概況

変動金利(17年ぶりの金利引き上げ環境)

住宅ローンは、銀行にとっては優良な個人と大きな金額の取引を開始できる重要な金融商品です。住宅ローンには、”不動産”という優良担保があるだけでなく、長い期間その顧客との取引が続くことになります。

しかも、その人が住宅ローンを完済したころには貯蓄を資産運用に興味を示す世代になっている可能性もあり、 都市銀行や地方銀行だけでなくネット銀行も含めて激しい顧客争奪戦が繰り広げられている領域が住宅ローンです。

 

また、「変動金利タイプ」は住宅ローンの金利を引き上げる権利を銀行側が持つ商品です。各行0.2%台というとんでもない低金利競争を繰り広げてきましたが、2024年の10月からは各行一斉に金利を引き上げました。つまり、「銀行が赤字にならないようにコントロールすることもできる」という特徴もあります。

 

固定金利(長期金利の上昇傾向に追随)

(出典)日本相互証券株式会社 主要年限レート推移より引用

固定金利に関しても、変動金利と同じく銀行同士の引き下げ幅競争が行われていますが、変動金利と異なるのは2022年から2024年にかけて、確実に金利が上昇しているという点です。この金利上昇の背景には、世界的なインフレや、日本国なの金利の上昇があります。固定金利の基準金利は長期金利(10年もの国債利回り)の影響を受けるため、長期金利の上昇に合わせて固定金利タイプの金利も上昇しています。

 

上のグラフについては長期金利の推移(過去10年)を表したものになっていますが、現在の金利水準は過去10年間で最高水準となっています。


2. 主要銀行の金利動向

以下は、人気の住宅ローン金利(変動金利・10年固定金利)の直近の金利動向です。

銀行名 金利タイプ 2026年4月金利
auじぶん銀行 変動 1.134%〜
10年固定 2.770%〜
住信SBIネット銀行 変動 0.950%~
10年固定 2.509%~
SBI新生銀行 変動 0.640%〜
10年固定 2.500%
三菱UFJ銀行 変動 0.9450%~
10年固定 2.970%~

各銀行の動向

2026年4月の住宅ローン金利について解説いたします。

 

今月は、金融機関によって対応に差が見られるものの、全体としては「固定金利は上昇、変動金利は据え置き〜一部引き上げ」という流れが継続しています。特に一部のネット銀行においては、商品改定や付帯サービスの見直しとあわせて、実質的な金利条件の調整が行われるケースも見られました。

 

また、単純な金利水準だけでなく、団体信用生命保険の保障内容や手数料体系、キャンペーンの有無など、総合的な商品力での競争も引き続き活発な状況です。

 

固定金利については、上昇基調がより鮮明となっています。背景には、日銀の金融政策正常化に伴う長期金利の高止まりがあります。10年国債利回りは高水準で推移しており、その影響を受けて、10年固定や全期間固定型を中心に金利の引き上げが継続しています。代表的な長期固定型住宅ローンである フラット35 についても、引き続き高めの水準で推移しています。

 

一方、変動金利については、短期金利の上昇圧力を受けつつも、金融機関間の競争が強いことから、多くの金融機関では据え置き、またはごく小幅な引き上げにとどまっています。ただし、一部の金融機関では優遇幅の見直しなどにより、実質的な負担が上昇しているケースも見受けられます。

 

その結果、2026年4月は固定金利の上昇が相対的に目立ち、変動金利との差は前月よりも拡大する傾向となりました。

 

不動産価格が高止まりする環境が続く中でも、変動金利は依然として低水準を維持しており、現時点では「固定金利は上昇、変動金利は緩やかな上昇または横ばい」という構図がより明確になっています。

 


3. 金利予測と市場分析

変動金利の見通し

 

変動金利は通常、「短期プライムレート(短プラ)」と呼ばれる金利指標を基準に決定されます。短プラは長らく低水準で推移してきましたが、日銀の金融政策正常化を受け、2024年以降、段階的に引き上げられる局面に入っています。

 

日銀はマイナス金利政策を終了し、その後も金融政策の正常化を進めていることから、住宅ローン金利を含め、世の中の金利は全体として上昇圧力がかかりやすい環境となっています。ただし、変動金利については金融機関側の競争も強く、短プラの動きが即座かつ大幅に住宅ローン金利へ反映されているわけではありません。

 

そのため、変動金利は一部で引き上げが見られるものの、上昇ペースは緩やかで、足元では依然として低水準を維持しています。今後についても、急激な上昇が想定されている状況ではなく、引き続き日銀の金融政策や市場金利の動向を見極めながら、慎重に推移していくものと考えられます。

 

固定金利の見通し

 

前述のとおり、日銀はマイナス金利政策を終了し、金融政策の正常化を段階的に進めています。一方で、急激な引き締めに転じているわけではなく、景気や物価動向を見極めながら、慎重な政策運営が続けられている状況です。

 

こうした中で、固定金利に影響を与える長期金利(10年国債利回り)はすでに1%を超える水準で推移しており、これを背景に住宅ローンの固定金利は上昇基調が続いています。足元では、市場金利の変動を受けて、固定金利を引き上げる金融機関も見られます。

 

今後については、長期金利がさらにどの程度上昇するのか、また日銀がどの水準までの金利上昇を許容するのかが、固定金利の行方を左右する重要なポイントとなります。現時点では、急激な金利上昇局面に入ったと断定できる状況ではないものの、固定金利は変動金利に比べて、市場金利の影響を受けやすい局面が続くと考えられます。

まとめ

現在は、日銀が金融政策の正常化に向けた動きを進めており、将来的な金利上昇を意識する局面に入っています。ただし、急激な金利上昇が見込まれているわけではなく、依然として住宅ローン金利は歴史的に見て低水準の範囲にある状況です。

そのため、銀行ごとに住宅ローンの金利差がある場合でも、「付帯サービスの充実度」「繰り上げ返済の利便性」「諸費用の安さ」など、金利以外の商品特性も含めて総合的に比較・検討することが重要です。
「今後金利が上がるかもしれない」という不安だけで判断するのではなく、無理のない返済計画を立てたうえで、ご自身の家計状況やライフプランに合った住宅ローン商品・金利タイプを選択することが大切です。

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