SBI新生銀行の住宅ローンの長所は、保証料と一部繰上返済手数料が0円で、全疾病保障付団信が上乗せ金利なしで付くことです。一方で、事務取扱手数料は借入金額の2.20%(税込)の定率型で、5年ルール・125%ルールもないため、金利が上がると返済額がその都度増えます。
10月は変動金利が動きました。変動金利(半年型)は通常金利で年1.430%、SBIハイパー預金の開設者は年1.340%となり、いずれも9月から引き上げられています(2026年10月1日現在)。日本銀行が9月18日に政策金利を年1.25%程度へ引き上げたあとの最初の金利改定です。
SBI新生銀行は、SBIホールディングスを親会社に持つ銀行です。2023年1月に新生銀行から商号を変更し、同年9月にいったん上場を廃止しました。2025年12月17日に東京証券取引所プライム市場へ再上場し、現在もSBIホールディングスの連結子会社です。
住宅ローンの主力は「パワースマート住宅ローン」で、申込から契約までの手続きをオンラインで進められます。以下、10月の金利、メリット、デメリットの順に整理します。
10月の適用金利(パワースマート住宅ローン)
2026年10月に契約した場合の当初借入金利は次のとおりです。実際に適用されるのは申込時ではなく、契約日(条件確定日)の金利です。
| 区分・金利タイプ | 当初借入金利 | 備考 |
|---|---|---|
| 変動金利(半年型)/SBIハイパー預金開設者限定 | 年1.340% | 通常金利から年0.09%引き下げ。自己資金優遇とは併用不可 |
| 変動金利(半年型)/通常金利(新規・借り換え) | 年1.430% | 基準金利 年2.650%・当初借入期間の引下げ幅 年-1.220% |
| 変動金利(半年型)/自己資金優遇(新規のみ) | 年1.410% | 借入金額が物件価格等の90%以内の場合。借り換えは対象外 |
| 当初固定金利(10年)/新規・自己資金優遇 | 年3.380% | 当初固定期間終了後は変動金利(半年型)へ自動で切り替え |
| 当初固定金利(10年)/通常金利(新規・借り換え) | 年3.400% | 同上 |
※2026年10月1日現在。自己資金の有無や新規・借り換えの別で適用金利は変わります。
変動金利は9月から一段上がり、当初固定10年も引き上げられました。それでも変動と当初固定10年の差は年1.9%以上あり、当初の返済額を抑えるか、金利上昇のリスクを避けるかの選び方は変わりません。
今回の利上げが返済額に届くまで
日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を年1.0%程度から年1.25%程度へ引き上げると決め、9月24日から適用しました(日本銀行「金融市場調節方針の変更について」)。
これから借りる人には、10月の新しい金利がそのまま当初借入金利として適用されます。一方、変動金利(半年型)は年2回の見直しで適用金利が決まるため、すでに借りている人の返済額に届くのは、次の見直し以降です。
固定金利が参照するのは長期金利で、変動金利は短期金利の影響を受けます。同じ月に固定と変動が動いても、理由と動く幅は分けて見る必要があります。
SBI新生銀行の住宅ローン 主な特徴
自己資金優遇とSBIハイパー預金の優遇
借入金額を物件価格等の90%以内に抑える新規借入では、自己資金優遇金利が適用されます。変動・当初固定・長期固定のいずれも対象で、当初借入期間が終わったあとも優遇幅が続きます。
SBIハイパー預金を開設して変動金利(半年型)で借りると、当初借入金利が年0.09%下がります。金利タイプを変えなければ、当初借入期間の終了後も年0.09%の引き下げが続きます。自己資金優遇や他のキャンペーンとは併用できず、本審査後の契約内容確定までに開設を終える必要があります。優遇の条件はSBIハイパー預金の金利優遇の解説でも整理しています。
ネットで手続きが完結
住宅ローンは、申込から契約までをオンラインで進められる設計です。必要書類はスマートフォンやパソコンで撮影し、住宅ローンマイページからアップロードして提出します。
司法書士との登記の手続きはウェブ上では行えません。相談は住宅ローン専用の電話窓口(パワーコール)のほか、銀行代理業者の店舗でも受け付けています。
5年ルール・125%ルールを採用していない
SBI新生銀行は金利一覧ページで、5年ルール・125%ルールを住宅ローンで採用していないと明記しています(2026年10月1日時点)。
多くの銀行が採用するこの2つは、金利が上がっても一定期間は返済額を据え置く仕組みです。増えた利息が消えるわけではなく、支払いを先に送っているだけです。
SBI新生銀行では金利が見直されるたびに返済額へ反映されます。返済額は動きやすい代わりに、未払利息が積み上がって返済の終盤に負担が集中する事態は起きにくくなります。返済額の変動を抑えたいか、先送りを避けたいかで評価が分かれる仕組みです。
SBI新生銀行の住宅ローンのメリット
主な条件を表にまとめました(2026年10月10日に公式サイトで確認)。
| 比較の観点 | SBI新生銀行の内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 保証料 | 原則0円 | 審査結果により保証会社の保証を付ける提案を受ける場合あり |
| 一部繰上返済手数料 | 0円 | 1円から何度でも可能 |
| 一般団信・全疾病保障付団信 | 上乗せ0円 | 全疾病保障付団信は就業不能状態の保障を含む |
| がん団信 | 金利+0.1% | がん診断で残高0円・借入時50歳未満/全疾病保障付団信との重複加入は不可 |
| 事務取扱手数料 | 借入金額×2.20%(税込)の定率タイプ | 定額型の取扱いはなし |
| 借入期間 | 最長50年(変動金利・新規の住宅購入・建設資金のみ) | 35年超は当初借入金利に年0.1%上乗せ |
| 5年ルール・125%ルール | 採用していない | 返済額は動きやすいが未払利息の先送りが起きない |
| 手続き | オンライン完結 | 登記手続きを除く |
諸費用も借入の対象にできる
物件価格に加えて、諸費用も住宅ローンに含めて借りられます。
- 住宅購入にかかる仲介手数料
- 登記費用や司法書士報酬
- 火災保険料・地震保険料
- リフォーム費用(一定の条件あり)
- 引っ越し費用や家具・家電の購入費
諸費用を同じ金利で借りられれば、手元の現金を残しやすくなります。対象の範囲や上限は審査で決まります。
ただし自己資金優遇金利は、借入金額を物件価格等の90%以内にすることが条件です。諸費用まで借りると優遇の条件から外れることもあるため、借入額と金利をあわせて考える必要があります。
保証料・繰上返済手数料が無料でコストを抑えられる
契約時の保証料は原則0円です。保証料が必要な銀行では、借入額の約2%程度を一括で払う例もあり、たとえば5,000万円なら約100万円の差になります。
一部繰上返済も手数料無料で、1円からいつでも何度でも使えます。金利が上がる局面では、こまめに元本を減らせることが利息の抑制につながります。
全疾病保障付団信が無料、がん団信は年0.1%の上乗せ
一般団信と、病気やケガで働けなくなったときに備える全疾病保障付団信は、上乗せ金利0円で選べます。全疾病保障付団信は2026年3月2日に取り扱いが始まりました。
金利に年0.1%を上乗せすると、所定のがんと診断された時点でローン残高が0円になるがん団信も選べます。
※団信への加入は必須で、健康状態によっては加入できない場合があります。
※がん団信と全疾病保障付団信は借入時点で満50歳未満の人が対象です。3つの団信は重複して申し込めず、どれか1つを選びます。
仮審査がなく本審査のみで進む
一般的な住宅ローンは仮審査(事前審査)と本審査の2段階ですが、SBI新生銀行は原則として仮審査がなく、本審査のみで進みます。書類の提出と入力を一度で済ませられます。
必要書類は本審査の時点で一式そろえる必要があります。他行と併願するなら、他行の仮審査を先に済ませておくと進めやすくなります。申込から借入までは最短でも1か月半程度かかり、混み具合によってはそれ以上かかるため、引渡し日から逆算して申し込む必要があります。審査の段取りはSBI新生銀行の住宅ローン審査の流れで詳しく扱っています。
最長50年までの借入期間に対応している
2025年11月から、変動金利(半年型)で新規に住宅購入・建設資金を借りる場合に、借入期間を最長50年まで選べるようになりました。それ以外の借入は最長35年です。
35年を超える期間を選ぶと、当初借入金利に年0.1%が上乗せされます。毎月の返済額は抑えられますが、総返済額と完済時の年齢は上がります。条件の詳細はSBI新生銀行の50年ローンの記事にまとめています。
最近の変更点|終了したサービスに注意
比較サイトや古い記事には、すでに終了したサービスが現行のものとして紹介されていることがあります。2026年10月時点で、次の3つは新規に選べません(いずれも同行公式のお知らせで確認)。
- ステップダウン金利…サービス終了(2025年11月14日告知)。10年後から5年ごとに金利が下がるタイプは新規で選べません。
- 自動繰上返済(スマート返済)…サービス終了(同上)。手動の一部繰上返済は1円から・手数料0円で引き続き使えます。
- 団体信用介護保障保険(安心保障付団信)…新規申込終了(2025年12月1日告知)。現在選べる団信は一般団信・全疾病保障付団信・がん団信です。
SBI新生銀行の住宅ローンのデメリット
事務取扱手数料は定率タイプ(借入額が大きいほど負担が増える)
事務取扱手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率タイプで、定額タイプはありません。借入4,000万円なら88万円(税込)となり、諸費用の中で大きな割合を占めます。
金利だけでなく、金利と事務取扱手数料を合わせた総コストで比べる必要があります。電子契約を使う場合は、印紙税がかからない代わりに電子契約利用手数料5,500円(税込)がかかります。
基本の団信に3大疾病などの保障は付かない
上乗せ0円で選べるのは一般団信と全疾病保障付団信です。がんと診断されたときに残高の一部や全額が保障される特約を無料で付けている銀行と比べると、がんへの備えは追加の金利が必要です。
がん団信を選ぶと金利が年0.1%上がり、全疾病保障付団信とは両方を選べません。就業不能への備えとがんへの備えのどちらを優先するかを、加入時に決める必要があります。
返済額が金利の動きにそのまま連動する
5年ルール・125%ルールがないことは、金利が上がったときに毎月の返済額がその都度増えることも意味します。10月のように変動金利が上がる局面では、家計の余力をあらかじめ見ておく必要があります。金利上昇そのものを避けたい人には、長期固定金利という選択肢もあります。
変動金利の水準は他行と比べて見極めが必要
10月の変動金利は年1.430%(ハイパー預金優遇で年1.340%)です。変動金利の最優遇水準は銀行ごとに差があり、保証料や事務手数料の扱いも違います。金利だけで有利と決めず、諸費用を含めた総額で他行と並べて比べる必要があります。
SBI新生銀行の住宅ローンが向いている人
- 保証料・一部繰上返済手数料をかけずに借りたい人
- 全疾病保障付団信を上乗せなしで付けたい人
- 返済額の先送りを避け、金利の動きをその都度返済に反映させたい人
- 仮審査を挟まず、オンラインで手続きを進めたい人
よくある質問(FAQ)
Q. SBI新生銀行の住宅ローン金利は10月にいくらですか?
A. 2026年10月1日現在、変動金利(半年型)は通常金利が年1.430%、SBIハイパー預金開設者は年1.340%、自己資金優遇は年1.410%です。当初固定10年は新規・自己資金優遇で年3.380%です。
Q. SBI新生銀行の住宅ローンに仮審査はありますか?
A. 原則として仮審査はなく、本審査のみで進みます。必要書類は本審査時に一式そろえる必要があり、申込から借入までは最短でも1か月半程度かかります。
Q. 繰り上げ返済に手数料はかかりますか?
A. 一部繰り上げ返済は手数料0円で、1円からいつでも何度でも使えます。毎日自動で繰上返済するスマート返済は終了しており、現在は手動での繰上返済です。
Q. SBIハイパー預金の優遇と自己資金優遇は一緒に使えますか?
A. 併用できません。SBIハイパー預金の優遇は変動金利(半年型)で借りる場合の年0.09%引き下げで、自己資金優遇金利を使う人は対象外です。どちらか有利なほうを選びます。
Q. SBI新生銀行の住宅ローンのデメリットは何ですか?
A. 事務取扱手数料が借入金額の2.20%(税込)の定率タイプで、借入額が大きいほど負担が増えることです。5年ルール・125%ルールがないため、金利が上がると返済額もすぐに増えます。
※本記事の金利は2026年10月1日現在、手数料・団信・優遇の条件は2026年10月10日に確認した内容です。金利・キャンペーンは月ごとに動くため、最新の状況は各金融機関の発表でご確認ください。