住宅ローン金利の動向と見通し【2026年9月】長期金利3%台へ

はじめに

この記事では、これまでの住宅ローンの金利動向と、2026年9月時点の最新状況、そして今後の見通しについて、ニュースの流れに沿って整理します。9月は「長期金利が約30年ぶりに3%台へ乗り、固定金利がそろって上がった一方、変動金利は引き上げた銀行と据え置いた銀行に分かれた」月になりました。

9月1日には長期金利(新発10年物国債の利回り)が一時年3.000%をつけ、【フラット35】の9月の金利は前月から0.170ポイント上昇して年3.460%に。一方で変動金利は、大手5行のうち引き上げたのは2行にとどまります。

「変動」と「固定」で動き方が分かれた理由と、借り手が何に注意すべきかを道案内します。


1. 足元の金利概況(2026年9月時点)

長期金利が約30年ぶりに3%台へ(9月1日)

2026年9月1日の東京債券市場で、長期金利の指標である新発10年物国債の利回りが一時 年3.000% まで上昇し、節目の3%台に乗りました。前日8月31日の年2.950%からさらに切り上がった水準で、報道では「約30年ぶりの高さ」と伝えられています(起点を1996年9月とする報道と1996年10月とする報道があり、本記事では「約30年ぶり」と表記します)。

上昇の要因は一つではありません。日銀の追加利上げ観測、米国の金利上昇、原油高、国の財政に対する警戒といった材料が重なった結果と説明されています。

ここで押さえておきたいのが、「どの金利の話なのか」です。長期金利(10年国債利回り)は固定金利・【フラット35】の基準短期プライムレート(短プラ)は変動金利の基準、そして政策金利は年1.0%程度(2026年6月16日に0.75%程度から引き上げ)。

長期金利が3%に乗ったこと自体は、変動金利が上がった理由ではありません。また「約30年ぶり」は国債利回りの水準の話で、住宅ローン金利が30年ぶりの高さになったという意味でもありません。

変動金利(大手5行のうち2行が引き上げ・3行は据え置き)

住宅ローンは、銀行にとって優良な個人と大きな金額の取引を始められる重要な金融商品です。「不動産」という優良担保があるだけでなく、長期にわたって取引が続くため、都市銀行・地方銀行だけでなくネット銀行も含めた激しい顧客争奪戦が繰り広げられてきた領域です。

「変動金利タイプ」は、住宅ローンの金利を見直す権利を銀行側が持つ商品です。各行が0.2%台という激しい低金利競争を繰り広げてきましたが、日銀が2024年3月にマイナス金利政策を解除して以降は利上げ局面に入りました。

2026年6月の政策金利引き上げ(0.75%程度→1.0%程度)を受けて、3メガバンクは2026年8月3日に短期プライムレートを年2.125%→年2.375%へ引き上げています。

その短プラの引き上げが、9月の適用金利に反映され始めました。8月31日の各行発表によると、変動型(最優遇)を引き上げたのは三菱UFJ銀行と三井住友銀行の2行で、引き上げ幅はいずれも0.250ポイント

三菱UFJ銀行は年1.195%、三井住友銀行は年1.525%となりました。残る3行は年0.950〜1.080%で据え置きです。変動型の引き上げは約半年ぶりと報じられています。

実際に三菱UFJ銀行の公式サイトでも、新規借入の変動金利は年1.195%(2026年9月1日現在)と表示されています。同行の店頭表示金利(基準金利)が年3.125%→年3.375%と0.250ポイント上がり、引下げ幅(▲2.18%)はそのままなので、適用金利も同じだけ上がったという構図です。借り換えの変動金利は年1.245%です。

ここで大事なのは、「変動金利が上がった」と一般化しないことです。9月は5行のうち2行が引き上げ、3行は据え置き。行ごとに判断が分かれています。またすでに借りている人の返済額に反映される時期は、銀行と契約タイプによって異なります(三菱UFJ銀行は毎月返済型が2026年11月の約定返済分から、年2回見直し型が2027年1月分から、みずほ銀行は2027年1月返済分から、と案内されています)。

「9月からすぐ返済額が上がる」わけではない点は落ち着いて押さえておきましょう。

固定金利(【フラット35】は2か月連続の上昇で過去最高水準)

固定金利も銀行同士の引き下げ幅競争が行われていますが、変動金利と異なるのは、2022年から2026年にかけて基調として金利が上昇してきた点です。背景には、世界的なインフレと日本国内の金利上昇があります。

固定金利の基準金利は長期金利(10年もの国債利回り)の影響を受けるため、長期金利の動きに合わせて固定金利タイプも動きます。

この長期金利の上昇を反映し、長期固定型の代表である【フラット35】(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)の2026年9月の最も多い金利は年3.460%となりました。

前月(8月=年3.290%)から0.170ポイントの上昇で、2か月連続の引き上げです。算出方法が変わった2017年10月以降で最も高い水準にあたります。

条件別では、融資率9割超が年3.570%、【フラット20】(借入期間20年以下)は9割以下で年3.140%・9割超で年3.250%、【フラット50】(36年以上50年以下)は9割以下で年3.700%・9割超で年3.810%です。

「フラット35は9月から3.46%」とだけ覚えると誤解のもとで、借入期間・融資率・団信の種類によって適用される金利が変わります(デュエット=ペア連生団信は掲載金利+0.18%、新3大疾病付機構団信は+0.24%)。

なお【フラット35】の金利は取扱金融機関ごとに異なり、上記は取扱金融機関が提供する金利のうち最も多い金利です。最新は住宅金融支援機構・各金融機関の公式サイトでご確認ください。

フラット35の最も多い金利が2026年6月3.210%、7月3.140%、8月3.290%、9月3.460%と推移したグラフ
9月は前月比+0.170ポイントで2か月連続の上昇。融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下・新機構団信付きの「最も多い金利」。

2. 主要銀行の金利動向(2026年9月)

以下は、各行の公式サイトで確認した2026年9月の適用金利です。10年固定は各行とも前月より高い水準となり、変動は行によって対応が分かれました。表示金利は商品・条件・時点により異なり、最優遇の適用には所定の条件があります。最新は各行公式でご確認ください。

銀行名 金利タイプ 2026年9月金利
三菱UFJ銀行 変動 1.195%〜
当初10年固定 3.630%〜
SBI新生銀行 変動(半年型) 0.990%〜
当初10年固定 3.250%〜
ドコモSMTBネット銀行
(旧・住信SBIネット銀行)
変動 1.750%〜
当初10年固定 3.149%〜
【フラット35】 全期間固定(21〜35年) 3.460%(最も多い金利)

※各行公式サイトで確認(2026年9月)。三菱UFJ銀行はずーっと一律優遇コース(変動)/最初に大きな優遇コース(10年固定)の新規借入・2026年9月1日現在。SBI新生銀行はハイパー預金開設者限定の金利優遇プログラム適用時の変動金利(半年型)/当初固定金利10年は通常金利の当初借入金利(自己資金優遇の適用時は年3.230%)・2026年9月ご契約適用分。

ドコモSMTBネット銀行はWEB申込コースで、変動=通期引下げプラン、10年固定=当初引下げプランの各最下限金利・2026年9月1日現在(審査結果により年0.1%〜0.3%、団信プランにより年0.2%〜0.4%が上乗せとなる場合があります)。

【フラット35】は融資率9割以下・新機構団信付き。最優遇には所定の条件があります。

各銀行の動向

2026年9月は、「固定はそろって上昇、変動は行ごとに判断が分かれる」という月になりました。大手5行の10年固定(最優遇)は5行すべてが引き上げ。長期金利の上昇がそのまま反映された形です。

2026年9月の主要行の当初10年固定金利を比較した棒グラフ
各行の最優遇・所定条件適用時の水準(2026年9月1日時点)。適用には条件があり、審査結果や団信プランで上乗せとなる場合があります。

これは「変動=短期の政策金利、固定=長期金利」という住宅ローンの基本構造が、そのまま数字に表れた結果です。長期金利は9月1日に3%台へ乗り、固定金利は全行が上昇。一方の変動金利は、6月の政策金利引き上げ→8月3日の短プラ改定という経路をたどって反映されるため、引き上げに踏み切った銀行と、当面据え置いた銀行に分かれました。

同じ「金利が上がった」というニュースでも、変動と固定では見ている金利も、反映されるタイミングも違うということです。

ネット銀行の商品改定にも注意が必要です。ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)は、住宅ローン(WEB申込コース)の「環境配慮型住宅への特別金利優遇」と「物件価格の80%以下で借り入れる場合の金利優遇」を、2026年8月実行分をもって終了したと公式サイトで案内しています(対面相談コースでは引き続き利用可)。

この結果、WEB申込コースの通期引下げプランの変動金利は年1.750%(2026年9月1日現在)と表示されています。金利表の数字が上がって見えても、その中身が「基準金利の上昇」なのか「優遇制度の変更」なのかで意味はまったく違います。比較サイトの一覧だけで判断せず、適用条件まで読む習慣をつけましょう。

各行とも単純な金利水準だけでなく、疾病保障付き団信や繰上返済の利便性、事務手数料まで含めた「総合的な商品力」での差別化を強めています。表面の金利差が小さくても、団信の上乗せ金利や事務手数料の違いで総負担は変わります

金利だけを横並びで比べるのではなく、条件をそろえて試算することが大切です。

その結果、2026年9月時点でも、変動金利(おおむね年1.0〜1.8%前後)と全期間固定(【フラット35】で年3.460%)の金利差は開いた状態が続いています。不動産価格の高止まりが続くなか、毎月返済額を重視して変動金利を選ぶ動きは引き続き根強い一方、今後の金利上昇リスクを意識して固定金利・固定期間選択型を検討する人も増えています。

「金利水準」だけでなく「将来の返済の安定性」「ライフプラン全体」を踏まえた住宅ローン選びが、これまで以上に重要になっています。


3. 2026年9月の主な変更点(まとめ)

ここまでの動きを、借り手の視点で整理すると次の5点です。

  • 長期金利が一時 年3.000% へ(9月1日)…約30年ぶりの3%台。固定金利・【フラット35】の基準となる金利が節目を超えました。
  • 【フラット35】が2か月連続で上昇(9月)…借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付きの最も多い金利が年3.460%(前月比+0.170ポイント)で、2017年10月以降で最も高い水準です。
  • 大手5行は10年固定が全行引き上げ・変動は2行のみ引き上げ…変動を上げたのは三菱UFJ銀行(年1.195%)と三井住友銀行(年1.525%)で、いずれも0.250ポイント。他の3行は年0.950〜1.080%で据え置きです。
  • ドコモSMTBネット銀行がWEB申込コースの金利優遇を終了(2026年8月実行分まで)…「環境配慮型住宅」「物件価格の80%以下での借入」の優遇が対象。対面相談コースでは引き続き利用できると案内されています。
  • 【フラット35】の中古住宅融資が使いやすく(9月1日の借入分から)…中古住宅の内装変更・設備設置など、適合証明の内容に影響しない簡易なリフォーム費用をまとめて借りられるようになりました。柱位置の変更・間取り変更・床面積の増減などは対象外です。

4. 金利予測と市場分析

変動金利の見通し

変動金利は通常、「短期プライムレート(短プラ)」を基準に決まります。短プラは長らく低水準で推移してきましたが、日銀の金融政策正常化を受け、2024年以降は段階的に引き上げ局面に入り、2026年8月3日には3メガバンクで年2.375%へ改定されました。9月の変動金利の引き上げは、この改定が適用金利に反映されたものです。

もっとも、変動金利は金融機関側の競争も強く、短プラの動きが即座かつ一律に住宅ローン金利へ反映されるわけではありません。基準金利の見直し時期・既存の借入者への反映時期は銀行によって異なります。9月に3行が据え置きにとどまったのも、その表れです。

今後については、日銀の追加利上げの行方が焦点です。次回の金融政策決定会合は2026年9月17日・18日で、結果の公表と総裁会見は18日。市場では利上げ観測が強まっており、Bloombergの報道によれば8月30日午前時点のオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、9月会合での利上げ確率が88%まで織り込まれたとされています。

米財務長官が日銀に利上げを求めたとする報道もあります。ただし日銀はまだ何も決めていません。織り込みが高いことと実際の決定は別物で、「9月に利上げされます」とも「見送られます」とも言えないのが現時点の正確な理解です。

変動金利を選ぶ場合は「将来の金利上昇」を前提に、返済額に余裕を持たせる・繰上返済で元金を早めに減らすなどの備えが現実的です。なお「5年ルール(5年間は返済額据え置き)」がある商品でも、金利が上がれば返済に占める利息の割合が増えて元金が減りにくくなり、場合によっては未払利息が生じる点には注意が必要です(5年ルール・125%ルールを採用していない商品もあります)。

固定金利の見通し

固定金利に影響を与える長期金利(10年国債利回り)は、7月に一時2.900%をつけたあといったん2.685%へ低下し、8月3日に再び2.830%へ、そして9月1日には一時3.000%へと、上昇基調のなかで振れの大きい展開が続いています。

国内の金融政策・海外金利・原油価格・財政をめぐる需給など、複数の材料が同時に効いているためです。【フラット35】の9月の金利が現行制度(2017年10月以降)で最も高い水準となったのも、この長期金利の上昇を反映したものです。

ここからさらに上がるのか、いったん落ち着くのかは、現時点では断定できません。3%という節目を超えたこと自体は事実ですが、そこで止まるとも上がり続けるとも言えないためです。金利上昇リスクをできるだけ避けたい人にとっては、「固定で固める安心」のコスト(変動との金利差)が大きくなっている点をどう評価するかが論点になります。

5. よくある質問(FAQ・2026年9月時点)

Q. 長期金利が3%になったら、私の変動金利もすぐ上がりますか?

A. 直接には連動しません。長期金利は固定金利・【フラット35】の基準で、変動金利の基準は短期プライムレートです。ニュースで「長期金利が3%」と聞いても、それだけで変動金利が動くわけではありません。変動金利が動くのは、日銀の政策金利の変更が短プラを通じて各行の基準金利に反映されたときです。

Q. なぜ9月は、変動を上げた銀行と上げなかった銀行に分かれたのですか?

A. 短プラが改定されても、それを住宅ローンの基準金利や引下げ幅にどう反映するかは各行の判断だからです。9月は大手5行のうち三菱UFJ銀行・三井住友銀行の2行が0.250ポイント引き上げ、3行は据え置きました。

「大手行が一斉に上げた」わけではないので、比較するときは行ごとに時点をそろえて確認してください。

Q. すでに変動金利で借りています。返済額はいつ変わりますか?

A. 基準金利が見直される時期と、毎月の返済額が変わる時期は別物です。反映の基準日は銀行ごとに異なり、たとえば三菱UFJ銀行は毎月返済型で2026年11月の約定返済分から、年2回見直し型で2027年1月分から、みずほ銀行は2027年1月返済分から、と案内されています。

ご自分の契約がどのタイプかは、返済予定表や借入先のマイページで確認するのが確実です。

Q. 【フラット35】の「年3.460%」は誰でもこの金利ですか?

A. いいえ。年3.460%は借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付きで「最も多い金利」です。融資率が9割を超える場合は年3.570%、【フラット20】(20年以下)は年3.140%、【フラット50】は年3.700%と条件で変わります。

さらに取扱金融機関ごとに金利が異なるため、実際に申し込む金融機関の金利を必ず確認してください。

Q. 9月18日の日銀の会合で、利上げは決まるのですか?

A. 現時点では分かりません。市場では9月会合での利上げを高い確率で織り込んでいるとの集計が報じられていますが(Bloomberg、8月30日午前のOIS市場で88%)、日銀は何も決定していません

会合は9月17日・18日で、結果は18日に公表されます。決定内容は日本銀行の公表資料でご確認ください。

Q. 固定金利はこれからも上がりますか?

A. 固定金利は長期金利(10年国債利回り)に連動します。長期金利は上昇基調にありますが、日銀の政策・海外金利・原油価格・財政など複数の材料が交錯しており、先行きを断定できる状況ではありません。最新の適用金利は各金融機関・住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。

なお、低金利と諸費用の分かりやすさを重視するなら、SBI新生銀行のように保証料・一部繰上返済手数料が0円で、全疾病保障付団信を上乗せ0円で付帯でき、店舗相談とオンライン手続きの双方に対応する銀行も、検討に値する選択肢の一つです(事務取扱手数料は借入金額×2.20%(税込))。

同行は変動金利(半年型)で借入期間を最長50年まで選べる点も特徴です(35年超は当初借入金利に年0.1%上乗せ)。最終的な金利・条件は必ず各行公式で最新をご確認ください。

まとめ

現在は、日銀が金融政策の正常化に向けた動きを進めており、将来的な金利上昇を意識する局面に入っています。ただし、急激な金利上昇が見込まれているわけではなく、依然として住宅ローン金利は歴史的に見て低水準の範囲にある状況です。

そのため、銀行ごとに住宅ローンの金利差がある場合でも、「付帯サービスの充実度」「繰り上げ返済の利便性」「諸費用の安さ」など、金利以外の商品特性も含めて総合的に比較・検討することが重要です。
「今後金利が上がるかもしれない」という不安だけで判断するのではなく、無理のない返済計画を立てたうえで、ご自身の家計状況やライフプランに合った住宅ローン商品・金利タイプを選択することが大切です。

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