イオン銀行の住宅ローン団信5種類|上乗せ金利と選び方【2026年8月】

イオン銀行は、イオンモール、ダイエー、ミニストップなどを展開するイオングループの一員として、2007年に設立された銀行です。全国のイオン店舗内に窓口を構え、投資信託やNISAなどの資産運用相談から住宅ローン、各種保険まで幅広く扱う“暮らしに近い”銀行として知られています。

 

この記事では、イオン銀行の住宅ローンで選べる団体信用生命保険(団信)5種類の保障内容と上乗せ金利を整理します。金利が動いている今、「上乗せ金利0.100%・0.300%」が総返済額にどれだけ効くのかまで踏み込んで解説します。

 

 

【2026年8月の動き】イオン銀行は変動を据え置き、当初固定10年は3.520%へ

 

まず、団信を考える前提となる金利環境から押さえておきましょう。当社編集部が2026年8月4日に各金融機関の公式金利ページを実際に開いて取得したところ、イオン銀行の住宅ローンは新規借入の変動金利が年1.040%で前月から据え置き、当初固定10年は年3.430%から年3.520%へ年0.090%引き上げられていました(当社調べ・イオン銀行 公式金利ページで確認)。

 

イオン銀行の金利(新規借入)2026年7月2026年8月
変動金利(金利プラン)年1.040%年1.040%(据え置き)
当初固定3年年2.440%年2.460%
当初固定5年年2.770%年2.810%
当初固定10年年3.430%年3.520%

 

※当社編集部が各行の公式金利ページを実際に開いて取得した実測値(2026年8月4日確認)。最新の適用金利は必ず公式サイトでご確認ください。

 

この「変動は据え置き、固定は上昇」という形はイオン銀行だけの動きではありません。当社編集部が2026年8月4日に14の金融機関・機関の公式金利ページを実測し、前月と比較できた127件を集計したところ、引き上げ102件・据え置き23件・引き下げ2件でした。うち変動金利は実測27件のうち23件が据え置きだったのに対し、固定10年は実測24件のうち22件が引き上げという内訳です(当社調べ・2026年8月4日確認。件数は「銀行×商品×借入区分×金利タイプ×期間」の組み合わせ数で、銀行の社数ではありません)。

 

さらに2026年8月3日には、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の短期プライムレートが年2.125%から年2.375%へ、年0.250%引き上げられました(各行公式・2026年8月10日確認)。短期プライムレートは変動金利の指標とされますが、改定がそのまま当月の適用金利に反映されるわけではなく、反映の時期も幅も銀行ごとに異なります。「短プラが上がった=すべての変動金利がすぐ上がる」とは読まないでください。

 

ただし、団信の「上乗せ金利」は金利が上がるほど実額の負担が重くなります。だからこそ、保障内容とコストのバランスを今のうちに把握しておく意味があります。

 

団体信用生命保険(団信)とは

 

団信は、住宅ローンの契約者に万一のことがあった場合に備えて加入する生命保険です。「一般団信」と呼ばれる基本形は、契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合などに、住宅ローンの残高が一括で清算(完済)される仕組みです。遺された家族はローンの負担を負わずにマイホームでの生活を続けられます。

 

金融機関にとっても貸倒れリスクを抑えられるため、フラット35などを除く多くの住宅ローンでは団信への加入が必須です。

 

そして最大の注意点は、団信を選べるのは住宅ローンの契約時だけという点です。イオン銀行も公式サイトで「ご契約後に団信の種類を変更することはできません」と明記しています。契約後に「やっぱりがん保障を付けたい」と思っても後から追加できないため、加入時点で必要な保障を見極めることが決定的に重要です(借換え時は改めて選び直せます)。

 

イオン銀行で選べる団信は5種類

 

イオン銀行は、住宅ローン契約時に次の5種類から団信を選ぶ形をとっています。

 

団信 借入時の年齢 上乗せ金利
一般団信 満71歳未満 なし
全疾病保障団信住宅ローン 満50歳未満 年0.000%(なし)
がん保障付団信 満50歳未満 +年0.100%
8疾病保障プラス付住宅ローン 満50歳未満 +年0.300%
ワイド団信付住宅ローン 満50歳未満 +年0.300%

 

※団信の保障内容・年齢条件・上乗せ金利は、2026年8月10日にイオン銀行の公式サイト(各団信の商品ページ)で確認した内容です。引受保険会社は、一般団信・全疾病団信・がん保障付団信・ワイド団信がイオン・アリアンツ生命保険、8疾病保障プラスが明治安田トラスト生命保険です。団信は改定されることがあるため、申込時点の取扱内容は必ず公式サイトでご確認ください

 

いずれも申込時の年齢は満18歳以上が条件です。疾病保障が付くタイプ(全疾病・がん・8疾病プラス・ワイド)は「借入時に満50歳未満」であることが必要で、50歳以上の方が選べるのは一般団信のみとなります。

 

それでは、それぞれの保障内容を見ていきましょう。

 

イオン銀行の団信の種類と保障内容のイメージ

一般団信(上乗せなし)

 

死亡・所定の高度障害状態に対応する基本の団信です。唯一、借入時の年齢が満50歳以上でも選べる団信であり、50代でローンを組む方の実質的な選択肢はこれ一本になります。

 

全疾病団信住宅ローン(上乗せなし)

 

一般団信の保障に加え、病気やケガで所定の就業不能状態になり、その状態がローン返済日において15日を超えて継続したときに毎月の返済額が保障されます。保障は回数制限なく受けられます。

 

さらに、所定の就業不能状態が1年を超えて継続したときには住宅ローン残高が0円になります。就業不能が1年超というのはレアケースですが、上乗せ金利0円で付けられる点が大きな価値です。「死亡・高度障害」より現実的に起こりやすいのは「働けなくなること」ですから、無料でここまでカバーされるのは実利のある保障といえます。

 

そして意外に知られていないのが、全疾病団信には免責期間がないという点です。公式サイトには「住宅ローンお借入れ後、免責期間はなくすぐに保障が開始されます」と明記されています(2026年8月10日確認)。後述するがん保障付団信が90日の待機期間を置いているのとは対照的で、借入直後のリスクにも効きます。ボーナス返済月は、当月の返済分に加えてボーナス返済分も保障されます。

 

一方で、申込前に必ず知っておきたい条件が2つあります。

 

  • 就業不能の期間は「病気・ケガごと」に計算し、通算されません。公式のQ&Aでは、10日入院したあと別のケガで9日入院しても合計19日にはならず「15日超」に該当しない、6か月入院中に別の病気を発病して合計13か月になっても「1年超」には該当しない、という例が示されています(医学上重要な関係があると保険会社が認めた場合は継続扱いになることがあります)。
  • 免責事由がある。精神障害、妊娠・出産、医学的他覚所見のないむちうち症・腰痛、地震・噴火・津波などは支払いの対象外とされています。「すべての病気・ケガ」という名称から受ける印象より範囲は限定的です。

 

また「15日を超えて継続」は、返済日(その日を含む)からさかのぼって16日以上継続している状態を指します。15日を超えて入院しても、返済日の時点で継続していなければ保障されません。

 

がん保障付住宅ローン(+年0.100%)

 

入院の有無などを問わず所定のがんと診断確定された時点で住宅ローン残高が0円になる保障です。イオン銀行公式によれば、これに加えて次の給付も受けられます。

 

  • 所定の上皮内がん・皮膚がんと診断されたとき、一時金30万円(保険期間中1回)。上皮内がんを対象外にしている金融機関もあるなかで、イオン銀行は給付対象としています。
  • がんの先進医療の療養を受けたとき、1回の療養につき500万円・通算1,000万円を限度に技術料と同額を支給。

 

注意点として、がん関連の保障が始まるのは「加入日(住宅ローン借入日)から90日を経過した日の翌日」=実質91日目です。さらに公式サイトは、保障開始日より前に罹患したがんは、医師の診断確定が保障開始日以降であっても対象にならないと明記しています(2026年8月10日確認)。「借入後91日を過ぎてから診断されれば必ず対象」ではない点に注意してください。

 

8疾病保障プラス付住宅ローン(+年0.300%)

 

がん・脳卒中・急性心筋梗塞の3大疾病に、5つの重度慢性疾患を加えた8疾病の就業不能を保障し、さらに非自発的失業(勤務先の倒産、会社都合の解雇など)に対する補償まで付くタイプです。失業補償は失業状態が1か月を超えて継続し、ローンの返済日が到来した場合に、最長6か月間、毎月のローン返済相当額が補償されます(2026年8月10日確認)。上皮内がん・皮膚がんの一時金30万円もカバーされます。

 

見落としがちなのが、オプションの「居住不能信用費用保険」です。火災・自然災害・地震などで住宅が全壊または大規模半壊し、居住できない状態が続いた場合に、最長6か月間(ローン期間を通算して最大36か月分を限度に)毎月の返済相当額が補償されます。付帯を希望する場合は、8疾病団信プラスの+年0.300%に加えてさらに年0.050%が上乗せされます(イオン銀行 公式・2026年7月確認)。「病気・失業・災害」まで一括で備えたい人向けの最も手厚い構成です。

 

ワイド団信付住宅ローン(+年0.300%)

 

健康上の理由で通常の団信に加入できない方向けに、引受基準を緩和した団信です。保障内容は一般団信と同一(疾病保障が上乗せされるわけではない)で、加入しやすさに対して年0.300%を払う、という位置づけです。融資実行時の年齢が満50歳未満、完済時の年齢が満80歳未満が条件で、保険会社所定の審査があります(健康上の理由があるすべての方が加入できるわけではありません)。

 

公式サイトは引受の可能性がある主な症例として、糖尿病・脂質異常症・高血圧症・狭心症・不整脈・脳卒中・うつ病・適応障害・潰瘍性大腸炎・肝機能障害・喘息・緑内障・関節リウマチ・子宮筋腫などを挙げています。ただし「加入可否は病名だけで判断されるものではない」「同じ病名でも加入できる場合とできない場合がある」とも明記されており、口頭や病名確認だけでの照会には応じられないとされています。健康状態によっては一般団信で加入できることもあるため、まずは申込書兼告知書を提出して判断を仰ぐ流れになります。

 

【試算】上乗せ金利0.100%・0.300%は、いくらの負担になるのか

 

上乗せ金利は「たった0.100%」に見えますが、35年で見ると無視できない金額になります。借入3,000万円・返済期間35年・元利均等返済(ボーナス返済なし)で、2026年8月時点のイオン銀行の新規変動金利 年1.040%が完済まで続いたと仮定した場合の試算が下記です。

 

団信の上乗せ金利別に総返済額を比較した棒グラフ
上乗せ年0.100%で約59万円、年0.300%で約180万円の差。2026年8月のイオン銀行 新規変動金利 年1.040%が完済まで続くと仮定した当社試算です。

 

団信適用金利(試算)毎月返済額/総返済額
一般団信・全疾病団信(上乗せなし)年1.040%約85,200円/約3,580万円
がん保障付団信(+年0.100%)年1.140%約86,700円/約3,640万円(+約59万円
8疾病保障プラス・ワイド団信(+年0.300%)年1.340%約89,500円/約3,760万円(+約180万円

 

※当編集部が実測した2026年8月適用の金利をもとにした当社試算です(元利均等返済・ボーナス返済なし・諸費用は含みません)。変動金利は全期間一定と仮定した参考値で、実際には金利の見直しによって返済額が変わります。

 

+年0.100%=35年間で約59万円、+年0.300%=約180万円。これが「保険料」の実額です。がん保障を約59万円で35年間つけられると考えれば割安ですが、+年0.300%を払うなら「同じ保障を民間の就業不能保険・所得補償保険で用意するといくらか」と比べる価値があります。金利が上がれば同じ上乗せ幅でも差額は膨らむため、2026年以降はこの比較の重みが増しています。

 

どの団信を選ぶか——3つの判断軸

 

イオン銀行の団信は「シンプルにも手厚くもできる」のが特徴です。選び方の軸を整理します。

 

  • コストを1円もかけたくない/既に医療保険・就業不能保険に入っている——全疾病団信(上乗せ0円)で十分なケースが多いでしょう。無料で就業不能まで守れます。
  • がんへの備えを厚くしたい——がん保障付団信(+年0.100%)が有力。診断確定で残高0円、上皮内がん一時金、先進医療1,000万円まで含めて年0.100%はコストパフォーマンスが高い部類です。
  • 病気・失業・災害まで包括的に守りたい——8疾病保障プラス(+年0.300%、居住不能補償を付けるなら+年0.050%)。ただし約180万円超の負担に見合うかは、既契約の保険との重複を確認してから判断を。

 

なお、住宅ローン契約者にはイオングループでの買い物が割引になる特典(イオンセレクトクラブ)も用意されています。適用条件・割引率・期間は変更されることがあるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください

 

他行の団信と比べる視点

 

団信は銀行ごとに設計思想が違うため、「上乗せ0円でどこまでカバーされるか」を軸に比べると違いが見えます。

 

たとえばSBI新生銀行は、一般団信が上乗せ0円であるのに加え、全疾病保障付団信も上乗せ0円(2026年3月2日開始)で用意しています。ガン団信は有料ですが、保証料0円・一部繰上返済手数料0円といった諸費用の分かりやすさとあわせて、コストを抑えたい層には比較検討の価値があります(なお、SBI新生銀行では介護保障を付けた「安心保障付団信」は新規申込を終了しています)。PayPay銀行はがん50%保障が+年0.100%、がん100%保障が+年0.150%と、がん保障を細かく選べる構成です。

 

ポイントは「がん保障の上乗せ幅」と「無料で付く保障の範囲」。各行の団信は改定されることがあるため、最新の保障内容・上乗せ金利は必ず各行の公式サイトでご確認ください。

 

イオン銀行の団信に関するよくある質問

 

Q. 50歳を超えていると、疾病保障付きの団信は選べませんか?

選べません。イオン銀行の全疾病団信・がん保障付団信・8疾病保障プラス・ワイド団信は、いずれも借入時に満50歳未満であることが条件で、50歳以上の方が加入できるのは一般団信のみです。疾病への備えは、民間の医療保険・就業不能保険で補う設計を検討してください。

 

Q. 契約後にがん保障付団信へ変更できますか?

できません。団信を選べるのは住宅ローンの契約時のみで、契約後の種類変更はできないとイオン銀行が公式に明記しています。ただし他行への借換え時は、改めて団信を選び直すタイミングになります。「保障を厚くするための借換え」という選択肢は残されています。

 

Q. がん保障付団信は、借りた翌日にがんと診断されても残高0円になりますか?

なりません。がん関連の保障は保険加入日(借入日)の91日目から開始されます。この待機期間中の診断は保障対象外です。8疾病保障プラスのがん関連保障も同様の扱いです。

 

Q. 8疾病保障プラスの「居住不能信用費用保険」は付けるべきですか?

ハザードマップ上のリスクや、火災保険・地震保険でどこまでカバーされるかによります。地震保険は建物の再建費用を補うものですが、この特約は「住めない期間の毎月のローン返済額」を最長6か月分(通算36か月分を限度)補うもので、性質が異なります。上乗せは年0.050%ですので、既存の保険との重複を確認したうえで判断してください。

 

Q. 全疾病団信の「15日超」は、複数の病気やケガを合計して数えられますか?

数えられません。就業不能の期間は病気・ケガごとに計算され、別々の病気・ケガの期間は通算されないとイオン銀行が公式に説明しています。10日間の入院のあと別のケガで9日間入院しても「15日超」には該当しません(高血圧症とそれに起因する心臓疾患のように、医学上重要な関係があると保険会社が認めた場合は継続した就業不能として扱われることがあります)。

 

Q. 一般団信と全疾病団信は、どちらも上乗せ0円です。全疾病を選ばない理由はありますか?

借入時に満50歳未満で加入できるなら、基本的に全疾病団信を選ばない理由は乏しいといえます(保障が上乗せ0円で広がるため)。ただし団信には保険会社の引受審査があり、健康状態によっては一般団信のみとなる場合があります。加入可否は申込時に確認してください。

 

Q. 変動金利が据え置きなら、いま急いで決める必要はありませんか?

据え置きが続く保証はありません。当社が実測した2026年8月の内訳では変動金利は据え置きが多数でしたが、同じ月に固定10年は大半が引き上げられており、8月3日には大手行の短期プライムレートも引き上げられています。一方で、あわてて借入額を増やす判断は禁物です。団信の選択は契約時の一度きりですから、金利の先読みよりも「返済額が上振れしても耐えられる借入額か」を先に固めてください。

 

まとめ

 

イオン銀行の団信は、上乗せ0円の全疾病団信という「土台」があり、そこにがん保障(+年0.100%)や8疾病+失業補償(+年0.300%)を積み増せる構成です。金利上昇局面では上乗せ金利の実額が重くなるため、「必要な保障だけを、必要なだけ買う」という発想が以前より重要になっています。

 

すでに生命保険や医療保険に加入している方は、団信を申し込む前に既存の保険との重複を必ず確認してください。団信は借入後に保障内容を変更できません。逆にいえば、契約時の判断がその後30年以上効き続けます。

 

金利・保障内容・上乗せ金利は改定されることがあります。最新の情報は必ずイオン銀行および各金融機関の公式サイトでご確認のうえ、比較・検討してください(金利は2026年8月4日の当社実測、団信の保障内容は2026年8月10日に公式サイトで確認した内容にもとづきます)。

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