変動金利は8月に短期プライムレートが年2.125%から年2.375%へ引き上げられる見通しで、各行の適用金利は秋にかけて上昇していくとみられます(反映時期・幅は各行公式でご確認ください)。金利が上がるほど、団信の上乗せ金利0.050%・0.150%といった差も返済総額に効いてきます。
そのなかでauじぶん銀行が注目されるのは、上乗せ金利なしで付く団信の守備範囲が広いためです。無料の「がん50%保障団信」には、がんだけでなく4疾病(急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患)の50%保障と全疾病長期入院保障・月次返済保障まで含まれます。
この記事では、auじぶん銀行の団信(単独5種類+ペアローン連生団信)の上乗せ金利・加入可能年齢・保障内容と選び方を、2026年7月12日時点の情報で整理します。
目次
団体信用生命保険とは
団体信用生命保険(以下、団信)は、住宅ローンを組む際に加入する生命保険で、契約者に万が一のことがあった場合に備えるものです。
通常の団信は「一般団信」と呼ばれ、契約者が死亡したり、所定の高度障害状態になった場合に、保険金で住宅ローンの残高が完済されます。遺された家族は住宅ローンの支払いに悩むことなく、マイホームでの生活を続けられます。
団信は銀行にとっても融資が回収できないリスクを防ぐ役割があるため、フラット35を除く多くの住宅ローンで加入が必須条件となっています。
注意したいのは、団信のプランを選べるのは住宅ローン契約時だけという点です。借入後に「保障が足りない」と感じても変更はできず、逆に「保障が多すぎる」と思っても解約はできません。契約時に、自分に必要な保障かどうかを見極めることが重要です。
【2026年7月時点】auじぶん銀行の団信は「単独」と「ペアローン連生」の2系統
auじぶん銀行の団信は、契約者ごとに保障を選ぶ「単独の団信」(5種類)と、ペアローン契約時に選べる「ペアローン連生団信」(4種類・2025年1月取扱開始)の2系統に分かれます。同じプラン名でも上乗せ金利は異なるため、まずどちらの系統で借りるのかを決めてから比較しましょう。
なお、団信の引受保険会社は2023年7月1日からライフネット生命保険に変更されており、同時に無料団信への4疾病保障の追加と、がん100%保障団信・プレミアムの上乗せ金利引き下げが行われています(改定の詳細は後述)。
団信の上乗せ金利や保障内容は改定されることがあり、借入時期や審査結果によって適用される上乗せ金利が異なる場合があります。本記事は2026年7月12日時点の内容です。申込前には必ずauじぶん銀行の公式サイトで最新の上乗せ金利・保障内容をご確認ください。
単独の団信は5種類|上乗せ金利と加入可能年齢
| 団信の種類 | 加入可能年齢 | 上乗せ金利(年利) | 主な保障 |
|---|---|---|---|
| 一般団信 | 満65歳まで | なし | 死亡・高度障害+リビング・ニーズ |
| がん50%保障団信 | 満50歳まで | なし | がん・4疾病で残高50%+全疾病長期入院保障+月次返済保障 |
| がん100%保障団信 | 満50歳まで | 年0.050% | がん診断で残高0円+全疾病長期入院保障 |
| がん100%保障団信プレミアム | 満50歳まで | 年0.150% | がん・4疾病で残高0円+各種給付金 |
| ワイド団信 | 満65歳まで | 年0.300% | 一般団信と同じ保障(引受基準を緩和) |
※2026年7月12日時点。auじぶん銀行は団信の上乗せ金利を見直すことがあり、上乗せ金利の適用の有無・内容は同行が定める基準日で判定されるため、借入時期によって異なる場合があります。最新の上乗せ金利は必ず公式サイトでご確認ください。
一般団信(上乗せ金利なし)
契約者が死亡または所定の高度障害状態になった際に、保険金でローン残高が0円になる基本の保障です。余命6ヶ月と判断された際にも保障される「リビング・ニーズ特約」が付きます。金利をとにかく抑えたい人向けに、一般団信を選ぶ50歳以下の方限定の金利プランも用意されています。
がん50%保障団信(上乗せ金利なし)|無料でも「がん+4疾病」
契約時に満50歳までの人が、上乗せ金利なしで付帯できるプランです。2023年7月の改定で保障が広がり、現在は次の3本立てになっています。
- がん・4疾病50%保障:がん(所定の悪性新生物)と診断確定された場合に加えて、急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患で所定の状態になった場合も、住宅ローン残高の50%が保障されます。
- 全疾病長期入院保障:すべてのケガ・病気(精神障害を除く)で長期入院(入院が連続31日となり、その日以後150日継続)となった場合、住宅ローン残高が0円になります。
- 月次返済保障:入院が続いている期間、毎月の住宅ローン返済額が保障されます。
無料付帯の団信としては手厚い部類で、「保険料をかけずに、がん・4疾病・長期入院まで50〜100%カバーする」のがauじぶん銀行の基本形です。
がん100%保障団信(上乗せ金利 年0.050%)
がんと診断確定されると住宅ローン残高が0円になるプランで、満50歳までの人が年0.050%の上乗せで加入できます。全疾病長期入院保障も付帯します。
がん100%保障の団信は多くの金融機関で年0.100%〜年0.200%程度の上乗せが必要ですが、auじぶん銀行は2023年7月に年0.100%から年0.050%へ引き下げ、当時「がん診断で残高100%を保障する団信としてネット銀行最低の上乗せ金利」と公表しました。ただし、このプランには4疾病の50%保障は付きません(4疾病まで手当てするなら、無料のがん50%保障団信か、後述のプレミアムになります)。ここは見落とされやすいポイントです。
がん100%保障団信プレミアム(上乗せ金利 年0.150%)
がん100%保障に4疾病保障(100%)と各種給付金を加えた最上位プランです(旧・11疾病保障団信)。
- 4疾病保障:急性心筋梗塞・脳卒中を発病し60日以上労働の制限が継続または所定の手術を受けた場合、肝疾患・腎疾患で60日以上入院した場合に、ローン残高が0円。
- 各種給付金:所定の悪性新生物と診断確定で100万円、上皮内がん・皮膚がんの診断確定で50万円、がんの先進医療は通算2,000万円まで、5日連続の入院で入院一時給付金10万円など。
がん保険・医療保険と同等以上といえる内容を、年0.150%の上乗せで住宅ローン側に持たせられるのが特徴です。すでに加入中のがん保険・医療保険と保障が重複していないかを確認したうえで検討しましょう。
ワイド団信(上乗せ金利 年0.300%)
健康上の理由で通常の団信に加入できない人向けに、引受基準を緩和した団信です。保障内容は一般団信と同じで、満65歳までの人が年0.300%の上乗せで加入できます。ワイド団信はペアローン連生団信の対象外である点に注意してください。
ペアローン連生団信(2025年1月開始)|上乗せ金利と3つの注意点
ペアローン連生団信は、ペアローンを契約した2人のうちどちらかに万が一のことがあれば、2人分の住宅ローン残高が保障される仕組みです。単独の団信より上乗せ金利は高くなりますが、「片方が亡くなっても、もう片方のローンだけが残る」というペアローン最大のリスクを消せます。
| 団信の種類 | 加入可能年齢 | 上乗せ金利(年利) | 単独の場合との差 |
|---|---|---|---|
| 一般団信 | 満65歳まで | 年0.200% | +0.200% |
| がん50%保障団信 | 満50歳まで | 年0.300% | +0.300% |
| がん100%保障団信 | 満50歳まで | 年0.350% | +0.300% |
| がん100%保障団信プレミアム | 満50歳まで | 年0.450% | +0.300% |
注意点は次の3つです。
- 2人が同じプランを選ぶ必要がある:夫はプレミアム、妻は一般団信、といった組み合わせはできません。
- ワイド団信は対象外:ペアローン債務者のいずれかがワイド団信になる場合、2人ともペアローン連生団信には加入できません。
- 一時所得として課税される場合がある:どちらか1人に支払事由が生じて2人分の保険金が支払われた場合、支払事由に該当していない方の免除された債務が一時所得とみなされ、所得税の課税対象になります。詳細は「被保険者のしおり」で必ず確認してください。
また、各種給付金と月次返済保障は連生保障の対象外です(支払事由に該当した本人の給付金のみが支払われます)。ペア相手のローンが完済等で終了した後も、本人には引き続きペアローン連生団信の上乗せ金利が適用される点も押さえておきましょう。
どのプランを選ぶ? 考え方の整理
auじぶん銀行の団信は、無料の時点でがん・4疾病・長期入院までカバーされているのが強みです。そのうえで、「がん診断時に残高を半分残すか、ゼロにするか」が最初の分岐になります。
- 共働きで、片方の収入が止まっても返済を続けられる→ 無料のがん50%保障団信で十分なケースが多い。
- 単独収入の比重が大きく、がん診断時に返済をゼロにしたい→ 年0.050%のがん100%保障団信。ただし4疾病50%保障は付かない点に注意。
- 4疾病まで残高0円にし、給付金でも治療費を支えたい→ 年0.150%のプレミアム。がん保険・医療保険を別途持たない前提なら合理的。
- ペアローンで、相手にローンを残したくない→ ペアローン連生団信。ただし上乗せ年0.200%〜年0.450%は返済総額に効くため、シンプルなプランから検討する。
金利上昇局面では、上乗せ幅の重みも以前より増します。「保険で持つか、団信で持つか」を一度整理し、重複する民間保険を見直したうえで判断するのが、無駄のない選び方です。
なお、団信の内容は金融機関ごとに大きく異なります。たとえばSBI新生銀行は一般団信を上乗せ0円で付帯でき、がん診断保障付団信や、2026年3月に取り扱いを開始した全疾病保障付団信(上乗せ0円)を用意しています。事務手数料や繰上返済手数料の分かりやすさも含め、auじぶん銀行と並べて比較しておくとよいでしょう。
よくある質問(auじぶん銀行の団信)
Q. 借入直後にがんと診断されたら保障されますか?
A. いいえ。責任開始日からその日を含めて90日以内に所定の悪性新生物と診断された場合は、保障の対象となりません(免責期間)。
Q. 上皮内がんや皮膚がんもがん保障の対象ですか?
A. 残高保障の対象となるがんは所定の悪性新生物で、上皮内新生物や、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんは含まれません。ただし、がん100%保障団信プレミアムには上皮内がん・皮膚がんの診断給付金50万円が付帯します。
Q. 申込後に団信のプランを変更できますか?
A. 本審査の承認までであれば、希望プランを選び直して再申込みすることで変更できます(auじぶん銀行の住宅ローンセンターへの連絡が必要です)。借入後の変更・解約はできませんので、契約前に決め切ることが大切です。
Q. ペアローンで、夫婦が別々のプランを選べますか?
A. できません。ペアローン連生団信は2人が同じプランを選択する必要があります。どちらかがワイド団信になる場合は、2人ともペアローン連生団信を利用できません。
Q. 団信以外に金利が上乗せされることはありますか?
A. あります。auじぶん銀行では、借入期間を35年1ヶ月以上(長期返済)として契約する場合に年0.100%の上乗せが発生します(2026年7月12日現在)。また審査結果によっては保証付金利プランとなり、金利が異なる場合があります。団信の上乗せと混同しないよう、総額で比較しましょう。
まとめ|2026年7月時点のポイント
- 単独の団信は5種類。一般団信・がん50%保障団信は上乗せなし、がん100%保障団信=年0.050%、プレミアム=年0.150%、ワイド団信=年0.300%。
- 無料のがん50%保障団信は、がんに加えて4疾病(急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患)の50%保障と全疾病長期入院保障・月次返済保障まで含む。
- がん100%保障団信には4疾病50%保障が付かない。4疾病まで残高0円にしたいならプレミアム。
- ペアローン連生団信(2025年1月開始)は上乗せ年0.200%〜年0.450%。同一プラン必須・ワイド団信は対象外・一時所得課税に注意。
団信は住宅ローンの契約時にしか選べません。最新の上乗せ金利・保障内容・適用金利は、必ずauじぶん銀行の公式サイトでご確認のうえ、ご自身のライフプランに合う保障を選びましょう。