初期費用を抑えつつ低金利と充実した団体信用生命保険(団信)を両立したい人に選ばれているのが、ソニー銀行の住宅ローンです。近年はネット申込と電子契約が標準化し、印紙税の負担も抑えやすくなりました。オリコン顧客満足度の住宅ローン「ネット銀行」部門でも2025年に3年連続で第1位を獲得しており、使いやすさの面でも評価が定着しています。
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目次
ソニー銀行の住宅ローンの主な特徴
ソニー銀行は、基本仕様は同じながら「金利優遇のルール」と「取扱手数料」が異なる3タイプを用意しています。申込時点ではなく、実際の借入日に適用される金利が確定する点を踏まえて比較するのがコツです。
・変動セレクト住宅ローン
変動金利を最優先で低く借りたい人向け。取扱手数料は融資額の2.2%(税込)。その代わり、変動金利の引き下げ幅が大きく、表面金利を抑えやすいのが強みです。
・固定セレクト住宅ローン
新規借入時は10年・15年・20年いずれかの固定金利からスタートするタイプ。こちらも取扱手数料は融資額の2.2%(税込)ですが、当初固定の金利が大きく引き下げられるため、固定の安心と低水準のバランスを取りやすくなります。
・住宅ローン
初期費用重視の人向け。取扱手数料は一律44,000円(税込)。表面金利はセレクト系よりやや高めでも、保証料0円や電子契約で印紙税ゼロなど、トータルコストで競争力があります。
2025年9月適用の目安金利は以下の通りです(年利・新規借入時、団信特約の上乗せや物件条件によって変動)。
金利タイプ | 変動セレクト住宅ローン | 固定セレクト住宅ローン | 住宅ローン |
変動金利 | 0.897% | 取扱なし | 1.257% |
10年固定 | — | 1.992% | 2.292% |
※物件の購入価格を超えて借り入れの場合は金利が0.05%(年利)上乗せになります。実際に適用されるのは借入日現在の金利です。団信の特約を付帯する場合は所定の利率が上乗せされます。
ソニー銀行の住宅ローンのメリット
金利水準が総じて低く、当初固定も選びやすい
変動セレクト住宅ローンの表面金利はネット銀行の中でも低位で推移しています。固定セレクト住宅ローンは当初10・15・20年の固定を割安に取りやすく、将来の金利上昇リスクを一定期間しっかり抑えたい人にも向きます。
諸費用を抑えやすい仕組み
「住宅ローン」は取扱手数料が一律4.4万円(税込)で保証料0円。電子契約に対応しているため印紙税も不要です。繰上返済手数料は一部・全額とも無料で、変動→固定などの金利タイプ変更は原則オンラインで手続きできます。なお固定期間中に途中で別タイプへ変更する場合は、金利状況に応じて所定の変更手数料がかかることがあります。
コストパフォーマンスの良い団信ラインナップ
加入時年齢が50歳未満であれば、がんと診断確定時に残高の50%を保障する「がん団信50」を金利上乗せなしで付帯可能です。さらに、0.1%の上乗せで残高100%+診断給付金などが付く「がん団信100」や、0.2%の上乗せで3大疾病団信・ワイド団信(引受基準緩和型)といった選択肢も用意されています。年齢や健康状態などの加入要件は事前に確認しておきましょう。
ソニー銀行の住宅ローンのデメリット
3タイプからの選定と、商品間の切り替え不可
「変動セレクト」「固定セレクト」「住宅ローン」は、本審査までに商品を選ぶ必要があり、借入後に商品そのものを別タイプへ切り替えることはできません。固定セレクトの当初固定期間が終わったあとの引下げ幅は新規時より小さくなるため、将来の金利方針も含めて最初に設計しておくことが重要です。
年収要件など審査のハードルはやや高め
申込時満20歳以上・借入時満65歳未満・完済時満85歳未満に加え、前年度の年収(自営業は申告所得)400万円以上が条件です。ペアローンや収入合算を検討する場合も、各人の要件や合算の取り扱いが審査で確認されます。
変動金利に「5年ルール」「125%ルール」はない
変動金利は年2回見直しとなり、返済額の上限を設ける一般的な「5年ルール」「125%ルール」は適用されません。金利上昇局面では返済額が見直しの都度増える可能性があるため、余裕を持った資金計画を心がけてください。
まとめ
ソニー銀行の住宅ローンは、低金利と電子契約・保証料0円・繰上返済手数料0円といったコスト面の強さ、そしてがん保障に強い団信の選択肢が特徴です。一方で、商品タイプは借入後に変更できないため、当初固定の長さや将来の金利方針、家計の余裕度まで含めた“初期設計”が成否を分けます。年収や年齢などの要件に合致し、ネット完結で手際よく進めたい人には、強力な候補となるでしょう。